朝──ノインが目を覚ますと、食欲をそそる匂いが鼻を刺激した。

 フラフラと匂いの方向に歩き出す。

「おはよう。よく眠れたかね」

 リビングと続きになっているダイニングキッチンにベリルが立っていた。

「おはよ」

 テーブルの上には、綺麗に並べられた料理──スクランブルエッグに焼きベーコン、ビーフシチューとくるみブレッド。

「これ、作ったの?」

「うむ」

「パンも?」

「それは市販のものだ」

 ノインは、見事な朝食に唖然とした。