黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 荷物を持ったまま奥に進むベリルを、いぶかしげに追う。

 リビングの入り口を通りすぎ、2階へ続く階段も通りすぎて、突き当たりの部屋のドアを開くと物置のようだった。

 そして部屋の中心で立ち止まり、コン……と、右足のかかとで床を軽くこづく。

「!」

 床に隙間が出来て、下に続く階段が現れた。

「隠しておかんとな」

 肩をすくめて、階段を下りる。

「わあ……」

 ノインは、その部屋に感歎の声をあげた。

 綺麗に並べられた武器類に目を輝かせる。

 普通の女性なら、そんな声は高いアクセサリーなどに向けるものだ。

「細工部屋に試射室まである!」

「後でお前の指紋も登録しておく」

 苦笑いを浮かべて発した。