ノインは、ハンドガンの手入れをしているベリルを見つめる──ずっと狙われ続けてきたハズなのに、どうして人を憎まないんだろう?

 と不思議でならなかった。

「!」

 何かに気付いたベリルが、ジーンズのバックポケットから携帯端末を取り出す。

 マナーモードにしてある携帯は、着信を震える事だけで知らせていた。

「──そうか、頼む」

 それだけ発すると、通話を切って再びハンドガンの手入れを続ける。