黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「それは私がやればよかろう。お前は大学を卒業せねば」

「休学届け出したんだから、しばらくはいけるでしょ」

 決意の視線に薄笑いを浮かべて溜息を吐き出す。

「そう言うだろうとは思っていたがね」

「あたしを遠ざけようとした理由は?」

 ベリルは観念したように話し出す。

「例の物質は覚えているか」

「ああ、物質Xね」

 確認し、ブランデーを口に含んで続ける。

「彼らが名付けた名前を知らないのでね、今はそう仮で名付けている。あれはまだ不安定で危険なモノだ」

「!」

 だから、あたしを遠ざけようとしたのか。