黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「ハッ!?」

 だから“生きるのがヘタクソ”って……ようやく理解したノインがベリルを見やると、彼はニヤリと口の端をつり上げた。

 今まで必死に葛藤してきた自分がバカらしく思えてくる。

「ええ、ええ。あたしはヘタクソですよ」

 ぶすっと頬を膨らませ、グラスのジンジャーエールを一気に飲み干した。

「大学に行くかね」

「え、うーん」

 問題は解決したんだから、大学に行っても大丈夫よね。

「──って違う違う。カレンの仇を討ってないし」