黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 ブランデーをひと口含み足を組む。

「その衝動の切り替え方を考えた事は」

 その言葉に驚いて、ベリルを凝視した。

「切り替え方?」

「傭兵仲間の中には、お前のように人を殺める衝動を持つ者も少なからず存在する。だが、彼らは私と同じように普通の生活をしている」

「どうやって?」

 そんなコト、できっこない。甘い誘惑に勝てるなんて──

 ノインの目に、ベリルは宙を見つめて、

「まったく違う生活をする必要など無い。その衝動を“別の何か”に置き換えれば良いだけだ」

「別の、何か?」