「あの店、日本にも支店があるの。カレンと、いつかあの店で同じ指輪買おうって約束してた」

 うなだれるノインの背中を、ベリルは2度軽く叩いた。

 ホテルに戻る途中で衣料品店に寄る──ノインの服などを買うためだ。

 さすがに、持っている服がいま着ている1着だけというのは問題がある。

 動きやすさと生地の質を考え選ばれた衣服は、ノインの魅力を十分に引き立てていた。