黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「カジュアルでもいいの?」

「隅に座れば誰も気にせんよ。知り合いの店だ」

 つまり、こことも“話し合い”が済んでるって訳ね。

 それでも普通は、傭兵なんだから店の雰囲気に合わないって断るんじゃないの?

 思ったノインだったが、ベリルがどうして出入りを許されているのかすぐに解った。

 完璧な食事マナーに、上品な食べ方──傭兵だなんて言っても、誰も信じないんじゃないかな。

 これはむしろ、店のイメージアップになりそうな感じ。

 ガラス張りの店で事実、ベリルが入ってしばらくすると女性客が一気に増えた気がする。

 女性客の視線は皆、一様にベリルを追っていた。

 ノインはそれに、なんだか鬱陶しくなって眉をひそめた。