黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 しばらくして、ベリルが様子を見にベッドに近づく。

 ノインの寝顔を見やると、その表情には苦しみが見て取れた。

「ん……」

 カレン、だめ。逃げて! ノインは必死に手を伸ばす。

 全速力で走っているつもりなのに、まるで鉛を全身にまとっているように重くて前に進まない。

 カレン背後に現れた影に、思わず身がすくむ──刺された瞬間、

「カレン!!」

「!」

 ノインが飛び起きてベリルに抱きついた。