そんな壊滅した組織など、どうでも良い。

 なんとかしなければならないのは、目の前にいるノインだ。

 必死に心の中で葛藤を繰り返している──ベリルは、今までにもそういった子供を引き取り、なんとか立ち直れるよう手助けしてきた。

だが、今回はそう簡単にいきそうにない。

カレンという“良心”を失った今、彼女の中に眠る『狂気』が、いつ顔を出すか解らない。

 それを抑えるには……目を細めて思案した。