黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「それならばと最後に働いてもらおうと計画した」

「そんな回りくどいコト……」

「私ならやるだろうね」

 グラスに琥珀色の液体を注ぎながら応えた。

 ノインは、平然と言い放ったベリルに目を丸くする。

「優秀な人材を育てるには金が必要だ。どんなものにも適正というものがある。それが殺人であればなおさらだ」

 金をかけて育てた人間を手放す事など本来なら避けたいだろう。

「兵士を育てるだけならば換えはいくらでもいるだろう」

 しかし、優秀にと育てるならばそれだけの代償が必要になる。