「一石二鳥だ」

 チーズを皿に並べて戻ってきたベリルが笑って発した。

「へ、へえ~。なるほどね」

 この数日でそこまで行き着いたの? 頭の中どうなってんのよ……ノインは当惑した。

「で、あたしの親友が殺されたコトは?」

「これも推測でしかないが、お前を手放したくはなかったのだろう」

 チーズを口に含んで、さらりと答えた。

 ワイングラスを持ち、ソファの背にもたれて足を組む。

「物質の開発と私の身の確保を計画し、お前を利用する作戦を練った。という処かな」