黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「ねえ」

「なんだ」

 険のない物言いで返し、ワインセラーから1本ワインを取り出す。

「どうしてあたしのコト──」

「全て知ってるように見える?」

「あ、うん」

 戸惑い気味のノインに小さく笑みを見せ、コルクを抜いたワインボトルとワイングラスを持って右側のソファに腰掛ける。

「不発を調べ100%解った訳ではないが、危険な物質である事は理解した」

 一端、話を切ってワインをグラスに注ぐ。