黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


「!」

 目の前に、氷の浮かべられたグラスに入ったジュースが現れた。

「ありがと」

 受け取って口に運ぶ、ジンジャーエールだ。炭酸の弾ける感覚が、ほっとさせる。

 そうして、ワインセラーの中を眺めているベリルに目を移す。

 たった数回しか会ってのに、全部知ってるみたい……変なヒト。