ノインは、少しでも深く探ろうとベリルの瞳をじっと見つめる──

「……」

 違う気がする。

 ううん、それは先入観かもしれない……。解らない、頭が混乱しそうだ。

「大切にされていたのだな」

 発したベリルの瞳に、ノインは表情を崩した。

 この人は、違う……じゃあ、誰が殺したの? わからない。

 苦しそうに震えるノインの頬に、ベリルはそっと手を添えた。

 一瞬ビクリと体を強ばらせたが、暖かな手の感触に頬をすり寄せた。