「そもそも私は傭兵だ。アサシンやスナイパーではあるまいし」

 呆れたように小さく溜息を漏らした。

「! ああ、そか」

 ベリルは傭兵だっけ……でも、人間なんて変わるものだ。

 何かのきっかけで、人を殺したい衝動にかられたのかもしれない。

「!」

 考えていると、ベリルが片膝をつき視線を合わせてきた。

「私の目はその者と同じか」

 静かな声がノインの心に沈んでいく──鮮やかな緑の瞳は、エメラルドのように透き通っていて、思わず吸い込まれそうになりながらも強く踏みとどまった。