「人間って、困った存在だけど……ずっと味方でいてやってね。見捨てないでね」

「……」

 ベリルはそれには応えず、ノインに優しくキスをした。

 黄昏の瞳は、もう何も映さない──ベリルは強く瞼(まぶた)を閉じ、ノインの体を抱きしめる。

「愛していた」

 つぶやいたその言葉は、ノインに届いただろうか──




 END