黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 しばらくして、ベリルがゆっくりと姿を現した。

 ようやく現れた標的に笑みを浮かべ、手にしていたハンドガンを向けてギロリと睨み付ける。

「ベリル……2年前、女を殺しただろう」

「覚えはない」

「嘘をつくな! あんたは、あたしの親友を殺した。絶対に許さない」

 そうだ、あたしはもうこんな世界から抜け出したいと思った。それは、あの子のおかげなんだ。

 あたしに、普通の人間としての心をくれた優しい子だったのに、どうして殺されなきゃならない。