黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「サイスも壊滅した」

「サイス? ああ、養成組織」

「どうした」

 ベリルがいぶかしげに問いかけた。

「なんでもない!」

 発して後ろを向いたノインは、目を閉じて深く呼吸する。

「これで、終わったんだね」

「いや、まだだ」

「! なんで?」

「ヒュドラは支部がそれぞれ単独で動いている。本部が壊滅した今、支部が分裂し新たな組織になるだろう」

 ベリルの瞳が遠方を映し出す。