黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 10年前、ベリルが要請を受けて訪れた国は内戦の真っ直中にあった──あちこちに点在する村の住民たちを救うため、その救出部隊の1人として雇われたベリルの目に飛び込んできた光景に、彼は立ちつくした。

 村人を次々と撃ち殺し、略奪していく一つの部隊……それは、内戦で複数に分裂した組織の一つが雇った傭兵部隊の一隊だった。

「仇……とってね」

 ベリルの腕の中で、命の灯が消えかかる少年が彼につぶやいた最後のひと言──ベリルは、その傭兵たちを決して忘れないように、心に焼き付けた。

 その中にヒューゴがいたのだ。