黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 ノインは、オメガの入った銃を構えるベリルを横でじっと眺めていた。

 洗練されたその構えは美しく、何者をも凌駕する強さが全体から溢れ出している。

「……」

 ベリルは一度、目を閉じると武器を投げ捨て左耳を手で押さえた。

「早急に撤退」

 出来るだけ遠くに──指示を出しノインに走れと促した。

 ヘリのある場所は向こうが崖になっているため、元の出入り口まで戻らなければならない。

 駆けながらベリルがぼそりと、

「村の子に頼まれてね」

 愁いを帯びた笑みを浮かべた。