黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「くっ……」

 ギュネイアスが1人で逃げようと、裏口に向かった。

「逃がさない」

 ノインはつぶやいて、ギュネイアスに照準を合わせる。

 ギュネイアスがドアノブに手をかけた刹那──

「がふっ」

 ノインの放った銃弾は、彼の胸を見事に貫いた。

「自分だけ助かろうなんて、あまいんだよ」

 吐き捨てるようにつぶやく。

「くっ、来るな!」

 ボスが必死の形相で叫ぶが、ベリルは構わずに駆け寄って筆箱ほどの大きさのケースをバックポケットから取り出す。