「あんなのに入れて大丈夫なんだ」

「扱いは安易だと言ったろう」

「え、でも反物質なんでしょ?」

「似ているが異なるモノだと言ったハズだ。そもそも反物質は他の物質に触れた瞬間にエネルギー化してしまう。今の人類の科学力では反物質を維持させるのは不可能だ」

「そうなんだ。あ、でも空気中にプカプカ浮かせれば?」

「酸素も物質だという事を忘れていないか」

「じゃあ真空にすれば?」

「真空は酸素が無い状態であって物質が無い状態ではない。質問は後にしろ」

 ベリルは眉間にしわを寄せる。