「変更だ。私とノインが行く」

<了解>

 代償は払ってもらわねばな……走りながらベリルはつぶやいた。

 その目は今までになく厳しい。

 この組織がしてきた事に、ベリルは大いに怒りを憶えていた。

 ノインの過去だけでも、ベリルを怒らせるに足る要素を持っている。

 彼女のような人間を、この組織は大勢作ってきたのだ。これが怒らずにいられようか。

「! こっちって……」

 見取り図を頭にたたき込んでいたノインは、向かっている先に眉を寄せた。

「ここに留まる理由は無い」

 ベリルは小さく舌打ちをした。