黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「! 弾薬庫?」

 ベリルが書き示した文字に、メイソンが反応した。

「うむ。かなりの量だった」

「大丈夫なのか?」

「心配ない」

 口の端を吊り上げたベリルのすぐあとに、建物が振動した。

「だろう?」

 ベリルがにこりと笑みを見せる。

「……」

 一同は互いに顔を見合わせた。

「そろそろ誘爆を始める」

 つぶやくと、爆発音と振動が連続して響いてきた。

「時限発火装置もあったのでね。さすが弾薬庫だけに壁は頑丈なようだ、被害はさほど大きくは無いらしい」

 振動と音で解るらしく、みんなはあっけにとられた。