黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 建物を監視していた1人が、慌ただしくなった事に気付く。

「メイソン!」

「始まったみたいだな」

 メイソンは、ヘッドセットを装着している左耳に手を当てた。

「北B班、準備は?」

<OKだ>

「西C班。東D班」

<こっちもOK>

<いつでもいいぜ>

 確認したメイソンは、横にいるノインに頷く。

「決行だ!」

 一斉に立ち上がり、建物に向かって走り出す──メイソンとノインがいるのは南のA班。

 まず北のB班が突入し、1分遅れで西と東のグループが突入。

 最後にリーダーのメイソンがいるA班が突入する。