黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 すると、カチャリ……と音がして枷(かせ)が外れる。

 解放された手をさすり、伸びをしてドアを開いた。

「ふむ」

 薄汚れた建物内は殺伐としていると言うのだろうか、あまり良い気配は感じられない。

 むき出しの天井には大小いくつものパイプが張り巡らされていた。

 ベリルは、それを見つめて歩き出す。