黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~



 連れ去られたベリルは、小さな部屋に運ばれ壁に設置された枷(かせ)に両手をつながれる。

「……」

 意識が戻り、痛みに小さく呻く。

 壁には血の跡が至る所に残っており、かつてここが拷問を行う部屋だったと窺える。

 とても清潔とはいえない空間に充満するのは、乾いた血の臭い。

「……ッ」

 やせこけた男がベリルの髪を乱暴に掴み、自分の目線に頭を上げさせた。