日曜日──ノインはベリルのマンションを知っているが、知らないフリをして麗奈がベリルに聞き出した道を後ろからついていく。

「あ! ここだ……大きい」

「建物全部じゃないんだから」

「そ、それはそうだけどさ~」

 戸惑いながら、さっさと入り口に向かうノインの後を追う。

 煉瓦造りの壁が高級感を漂わせているが、それほど高級なマンションという訳ではない。

 マンションの玄関ドアを開き、設置されている数字のボタンの前に立った麗奈がベリルの部屋番号を押した。