ベリルは、店を出ると素早くオレンジレッドのピックアップトラックに乗り込んだ。 警戒しながら走らせるが、追ってくる気配が無い。 すぐに諦めるような相手では無かったのだが……店の前を通り過ぎる。 店から出てきた彼女と目が会う──刹那、ベリルはその瞳に憎しみを感じ取った。 彼女とは今日、会ったばかりだ。 恨みを買った覚えは無い。 しかし、最後に見た瞳には明らかに憎しみが宿っていた。