黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 次の日──

「おはようノイン!」

 朝の挨拶もそこそこに、麗奈は週末の事を話し始めた。

「ねね、ベリル先生んちには土日のどっちに行く?」

「え。どっちでもいいよ」

「あ! センセイのメルアドとかも聞いといた方がいいよね」

この子はどうしてこう、落ち着きが無いのかな……麗奈の言動に半ば呆れていた。しかし、次の言葉にノインは硬直する。

「ベリル先生、きっとノインのこと好きだよ」

「えっ!?」

「こないだの拉致事件のこととかさ、センセイってノインのことよく見てると思うの」

「拉致って……」

 冗談交じりなのは解ってるけど、周りで聞いてる人たちはびっくりするわよ。