「ごめんなさい。痛かったでしょ」

 ベリルの服にある血に触れた。

「お前が傷つくよりは」

 ベリルの言葉に驚いて一瞬、顔をほころばせた。

「そういうコト、誰にでも言うんでしょ。タラシだと思われるよ」

「そうなのかね?」

 ベリルは眉をひそめた。

「荒療治で引っかき回して、あたしまで引っかき回されたわ」

「! 上手いな」

「褒めるな」

 呆れて溜息を吐いたあと、ベリルの胸に顔を埋める。