黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 とりあえず落ち着くと、ベリルはコップをテーブルの上に乗せて、

「他の傭兵を紹介しても構わんが」

「! 何それ。どういうコト?」

 ベリルの言葉に、ノインは声を上げた。

「傭兵の仕事を学ぶのは私でなくとも──」

「あたしが邪魔だってコト?」

 ベリルを睨み付けた。

「そういう意味ではない」

 いや、そうなのかもしれない。

 私は、彼女の想いを快くは思っていない……ベリルの眉が微かに動いた。

 その刹那──ノインが、ベリルにのし掛かるように彼の首に手をかけた。

「邪魔なら殺して」

 震える手をベリルの首から外し、その頬に添える。