黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 あたしだけドキドキしたのって、なんか不公平だわ……眠っているベリルに顔を近づけた。

 もう少しで唇が触れる──という距離でベリルが目を開く。

「何の真似だ」

 ささやくように問いかけられたが、ノインは構わずキスをした。

「!」

 驚いて少し眉をひそめたのに気付いたけれど、そのまま深く続ける。

 長いキスに、口の隙間から互いに微かな声が漏れる。

「何の真似だと言っている」

 しばらくしてノインを引きはがし、眉をひそめた。