黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「あたしを殺すために、あいつを使ったの?」

 ノインの瞳に激しい怒りが灯される。

「だろうね」

「逆効果じゃない。怒ったあたしに殺されてさ」

「本当にそう思うか」

「え?」

 発したノインに、静かな冷たい視線を送った。

 あのとき──あの時、ベリルがあたしを突き飛ばしてくれなかったら、あいつの“糸”に切り刻まれてた?

 怒りで冷静さを欠いていた。