黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「どうしても聞きたい事が一つある」

 ベリルは、あのカートリッジを取り出して男に見せた。

「この物質の名はなんという」

「知りたいコトって……それ?」

 ノインはカクンと肩を落とした。

「いつまでも物質Xではな」

 肩をすくめる。

「そりゃそうだろうけど」

「……“オメガ”か」

 それにベリルが目を丸くした。

「それはまた単純な名を付けたものだ。物質Xと大差ない」

「名前が解ったからいいでしょ」

「!」

 男が奥歯を噛みしめた数秒後、ぐったりとして動かなくなった。