「人の命を、消す?」

 ノインはベリルの言葉を思い起こし、鼻を鳴らした。

「死なないくせに、なに言ってるんだろ」

「!」

 やはり知っていたか。

 ベリルはそれを確認すると、その存在感をさらに高めた。

 徐々に膨らむ威圧感に、ノインの口元にはうっすらと笑みが浮かんでいた。

 なんだろう、この感覚。

 今まで感じたコトの無い快感が全身を駆け抜けていく──彼女の戦いのセンスが、ベリルの強さに共鳴しているようだった。

 初めは、あたしでも殺せない相手かと思ってムッとしたけど、調べてみたら不老不死じゃない。

 そりゃあ、誰にも殺せないわよね。