「内部はまだ不安定だ」

「へえ」

 少しずつ動き始める腕をじっと見つめた。

「どうなってるの?」

「空間に漂う分子を細胞などに形成し腕を構築する」

 指がぴくりと動いた。

「まず外側を形成し内部を修復していく」

「生えてくるとかじゃないの?」

 ベリルはすっかり動くようになった右腕を、左手で確認し立ち上がった。

「それはDNAの発現だ。そういう部分とは逸脱した存在のようでね」

「何もない処から腕が出来るの?」

 ノインはあっけにとられた。