黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

 手を出すなってコト? 獲物の横取りはよくないか……ノインは思って、車のボンネットに腰掛けた。

「う」

「!」

 あれ、生きてる。

 あの銃を持ってる奴だ、殺し損ねたのか、わざと殺さないでいたのかな?

 うめく男に近づき、ノインは男のベルトを引き抜いて腕を縛った。ついでに、持ってる物を全部奪う。

 ベリルは、男の目をじっと見つめハンドガンからナイフに切り替えた。

「?」

 ノインはそれに、怪訝な表情を浮かべる。

 なんだろ? ベリル、随分と警戒してるような。

 そんなに強い相手なのかな。

 同時に走り寄り、刃がぶつかり合う──ベリルが相手の刃を弾くが、左手の妙な動きに後ずさった。