「特殊なカートリッジだ。一発当てればいいんだが、外れたら困るだろう。あるだけ持ってきた」

「あたしが外すとでも?」

 ノインはムッとした。しかしすぐ──

「!」

 あ、イイ男……かつての上官が差し出した写真にふと思った。

「名前はベリル・レジデント。行方は我々が逐一報告する」

 大学に行くにはお金がいる──19歳のノインは、この依頼を素直に引き受けた。彼女はかつて、人を殺すという事に喜びを感じていた。

 今回は、そういうんでもなさそうだけど……そんなこんなで、彼女はベリルを追っていたのである。