黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


「こっちは余裕ね」

 つぶやいたノインは、追いかけてくる男に向かって引鉄(ひきがね)を引いた。

 その瞬間──聞いた事もない破裂音が辺りに響き、感じた事のない振動が腕に伝わる。

「!?」

 何、今の音!? あたしの銃になに入れたの!?

 ノインは驚いたが、同様に2人の男もやや目を見開いた。

 その音に少し躊躇した男たちだが、ふところからハンドガンを取り出してノインに銃口を向ける。