黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 講義も滞りなく終わり、世界がオレンジの光で包まれていく──ノインと麗奈は大学の門をくぐった。

「!」

 バイクのエンジン音に顔を向けると、大型バイクが視界に入る。

「あれ……?」

 あの体格は、ベリル……?

「! ノイン?」

 バイクに駆け寄るノインに、麗奈は首をかしげつつ追いかけた。

「あ……」

 駆け寄って声をかけようとして喉が詰まる。