黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~



 3日もすれば大学にも慣れ、それなりに顔見知りも増えてきた。

「!」

 講義を聴いているノインの左肩を、誰かがチョンチョンと叩く。

 振り向くと、可愛い顔をした女性がニッコリと笑いかけた。

「こんにちは」

「あ、こんにちは」

「綺麗なオレンジの目ね。私、南部 麗奈(みなべ れな)」

「あたしは、ノイン・ツバクラ」

 大きな漆黒の瞳で麗奈と名乗った少女は、背中までの黒髪を後ろで束ね、ノインに上半身を近づけた。