黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~


 結局、ベリルを説得出来なかった──

「……」

 ノインは、朝に作られた料理を昼食としてキッチンテーブルで食べながら電話中のベリルを見つめる。

 電話で大学の講師になる手続きをしているようだ。

 そのやり取りを眺めつつ、呆れたように溜息を吐いた。

 しかし、一体どうやって『表の世界』に入る気だ?

 あんた、戸籍とか出生証明書とかも無いでしょ。

「!」

 そうか、偽造する気だな。

「さてと」

 電話での手続きを終えたベリルは通話を切り、日本に行く準備を始めた。