黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

ベリルになら、甘えられるかもしれない──両親のコトを、まったく覚えてない訳じゃない。

 暖かな腕を、少しだけ覚えてる。

 それは、ベリルの腕と同じだった。

 体はそれを感じ取り、ノインを無意識にベリルの元に向かわせていたのだろう。

 そう納得するより先に、ベリルに抱きついていた──暖かな感触と、落ち着いた心臓の音が耳に響く。

「不老不死なのに、心臓は同じなんだ」

「失礼な」

 呆れて発したベリルにクスッと笑い、ノインは目を閉じて胸の鼓動に集中する。

 命がすぐ側にある。

 不死の体なのに、ノインはそう感じた。