黄昏の彼方~碧き蠱惑のミューゼ~

「数日前から来ている」

「!」

「なんの事は無い。幼い頃に抱きしめられた記憶に、体が無意識にそれを求めただけだ」

「うそ……」

 それって幼児後退じゃない……ノインは愕然とした。

 自分の中に、そんなモノがあった事に身を震わせる。

 そして、静かに見下ろしてくるベリルの瞳を見つめた。

 暗闇の中でもその輝きを失わないエメラルドは、ノインの心にゆっくりと舞い降りるように広がる。