ベリルは一気に間合いを詰め、女の懐に入った。

「!?」

 速い!?

 女は咄嗟にナイフを抜こうとしたが、ベリルに両腕を掴まれる。

 しばらく沈黙が辺りを支配した──2人は、互いに相手の心の内を探ろうと見つめ合った。

「私に何の用だ」

 ベリルが先に口を開く。

「ちょっとしたアルバイトよ」

 女の言葉に、ベリルはあっけにとられた。