【番外編】苺みるくの秘密



みっともないヤツ。

僕はいくら欲求不満だからって、女の子を押し倒して無理矢理、なんて虚しい真似はしたくないな。



桜井に視線をやると僕に背を向けて立っていた。

その小さな肩が小刻みにカタカタ震えている。

僕は桜井の正面に回った。



「童顔ボーイに助けてもらった感想は?」


桜井は僕から目を逸らした。

白い肌にうっすら涙の跡が残っている。



「美結……助けてほしいなんて頼んでないんだからっ……」

「はぁ。君って可愛くないなぁ」

「うるさい! あんなヤツ、美結一人でなんとか出来……」


強がる桜井の腕を僕は掴んだ。

驚いて肩を上げる桜井の腕は、想像していたよりも細かった。



「一人でなんとか出来るんだろ? じゃあやってみ?」

「触らないでっ……」

「ほら、早くやってみて?」


僕の手を振りほどこうと必死にねじって抵抗する桜井が、どうしてか可愛かったんだ。