後ろから抱きしめられた。

耳元に千秋の吐息を感じて……。



「椎菜に会いたかったから。ただそれだけだ」


あたしをさらにドキドキさせた。

胸がキュンッて疼いて、恥ずかしいのにたまらなく嬉しくなった。


余裕ぶって涼しい笑みであたしを見るところなんて、超ムカつく。

絶対流されないって決めたのにまたまた千秋のペースになって。

ちょっぴり悔しいから驚かせてやるって思ったあたしは、後ろから抱きしめられたまま呟いた……。