昼休みになって僕が向かったのは体育館裏。
今日はピカピカにカメラを磨きあげたから最高にいい写真が撮れそうな気がするんだ。
「キスくらいしようよ?」
「ごめんなさい……」
男女の声が聞こえてきた。
あーあ、やだやだ。
昼休みにイチャついてるわけ?
僕は木の陰から見つからないように覗いた。
「いいじゃん! 付き合ってたんだからさ!」
男に迫られてるのは僕の嫌いな桜井だった。
「美結、もうそういうことはやめたの」
「それって人のモノに興味があるってこと? 噂で聞いたんだよな」
「そうだよ。けどもう止め……」
「いいじゃねぇか。キスくらいさせろよ?」
男が桜井の肩に掴みかかった。
露骨に嫌そうな顔を背ける桜井。
桜井はどうするんだ?
「噂ではお前処女らしいじゃん」
「……」
「ヤラせろよ」
「や、やだっ! 汚い手で美結に触らないでよね……!」



